■何もかも■  メーカー不明 デッキウオッチ?  ■不明■

15J 製造年不明
ステンレス製?
時報機構付き?


かなり大型です。直径66_あります。スモールセコンドが12時位置に、リューズが6時位置にあります。

重さも138.8cでずっしりと重いです。ガラス風防は厚く丈夫です。欠けやキズがなく大変綺麗な状態です。

よくある「ジャンクひと山いくら」に混じっていたものです。
サビボロホコリまみれのガラクタの中から出てきました。
これだけが凄く綺麗だったのでびっくりしました。

形状からデッキウオッチかなと思い、中を見てみることに。


表蓋(ねじ込み式)と本体の間にこの様な隙間があります。状態から見て箱の中に固定されていたのではないか?と思います。

ケースはステンレス製っぽいです(灰皿の様な形状です)。銀ではなさそうで、そう古い物ではない様です。

中蓋はありません。機械自体は40_で19セイコーくらいです。

左右に揺り回すとテンプが少しの間動きますが10秒程で止まってしまいます。ネジは巻き止まっています。やはりジャンク?

蓋の裏には「150591」の刻印が。

機械を取り出してみます。15石の様です。


唯一の刻印。メーカー名でしょうか。 「BREVETS+ ET ETRANGERS」 
エトランジェ? フランス語っぽい感じですね…。




文字版側を見ると何やら複雑な機構が!リング(まわりの輪っか)とゴング(左端のハンマー)
があるので
リピーター!思わぬ拾い物大当たり(゚∀゚)?と色めき立ちましたがちょっと違う…。

右にある大きなギヤは大小2枚の歯車が重なっていて別途に動く様です。
フックも見えるので引っかけたり外れたりしてタイミングを取っているのでしょうか。
小さい方の歯車の凸出っ張りが12個あるので、
時報チャイム?ぽいかもです。
(それはそれで拾いものか∩゚∀゚∩!)。

しかし右上には
不自然な空間が。リューズ横のねじ穴と、ちょい下のミゾのある部品が
気になります。ここに何か部品があったのでしょうね…。どうやらこれは
部品取りとして使われた
あとの個体のようです。
やはりジャンクか

時計の部分はしっかり揃っている様なので、テンプと輪列部分を洗浄・注油してみます。
全部バラすと
時報との噛み合いがズレたらイヤなので取り敢えず様子見。


ここで重大な新事実小鉄車がない!」

リューズを引いてツヅミ車が下がってきても…カラ回りです。
時計部分も完全ではありませんでした。

気を取り直して作業を進めます。テンプ押さえ裏には「90」の刻印が。テンプはバイメタル・チラネジ付ですが切りテンプではありません。が、テン輪にミゾが切ってありますね…。

プレートに「5290」の刻印。

輪列だけの分解はかえってやりにくいか?

プレート側のテンプ受石をゴングの隙間から外します。

テンプ回りは特に念入りに洗浄します。

輪列を外すと、香箱とは別に巻きバネが見えます。この時点で角穴車に連動して2番車が動き、筒カナと2枚歯車とがカラ回りしました。
「噛み合いズレた…」

先程の2枚歯車の内部に仕込んであります。筒カナから連動した2枚歯車が回ってこの巻きバネを巻いていく様です。

テンプ部品を組立て。

平ヒゲです。巻き上げではありません。

プレート側の各穴石や可動部にも洗浄及び注油。

アンクル取付。

テンプ取付。

というわけで…

時報チャイム機構付きだった様です。デッキウオッチかどうかは
確信が持てません。元はどんな状態だったのでしょうか。

時計部分は調子よく稼働し始めました。

大きなテンプは振れ具合も良くチクタク音が心地よい…大型の機械は
安心感があります。時間もズレてきませんので時計部分は精度が高いと
思います。(時間合わせできませんが)小鉄車は何とかしたいですね…。

この状態でしばらく様子を見ていきたいと思います。
チャイム機構との噛み合いは果たしてどうなったのでしょうか?

後篇に続きます(笑


「デッキウオッチ?・前篇」 完











メーカー不明 デッキウオッチ? 後篇

前回に引き続いて手探り状態のまま後篇です。



ここで再度画像を見てみましょう。
名称(自己流ですが)を入れてみました。

まず基本的に噛み合いがズレてしまっているために
筒カムと2枚歯車との元位置(ホームポジション)がわからなくなっています。



30分にも1回「チン」と鳴る半チン機構も付いていました。

カムに立っている半刻ピンが1時間に1回だけ半刻レバーを押していき、
外れる瞬間にゴングを弾くようになっています。

肝心の時報ですが、一時間毎に「チンチン…」とチャイムが鳴りますいい音色です…が、
毎回3回鳴ります。1時でも10時でも3回「チンチンチン」です。はて?

時報が鳴る原理は上画像でも解る通り、カムの歯抜け部分にさしかかると
2枚歯車がフリーになって巻バネの反動で右回転し、カムの働きで接触してきた
正刻レバーをギザの数だけ弾くしくみになっています。

この弾くギザの数を毎時間ごとに変えてやるのがフックの仕事だと思うの
ですが、前編でも言及した通りこのフックを制御する機構は外されています。

一番下のプロペラは2枚歯車がフリーになった時に一緒に回る事によって
2枚歯車の回転速度を制御しています。リピーターとかにも付いてますね。

時報が鳴る仕組みからすれば、心配していた「筒カナと2枚歯車の位置関係」については、
時報が鳴った時点で正位置に戻っている理屈のはずです。

となると問題は2枚歯車相互の回転位置とフックの元位置がどうだったのかになりますね。
それが適正でないとなにかしら不具合が生じる可能性があります。

案の定しばらく快調だった時計が、1日経たない内に止まってしまいました。
揺すってみてもテンプが動きません。

小鉄車がない為に筒カナをリューズで操作出来ないので、歯をドライバーで直接押して
乱暴な方法?歯カケの危険あり)回してみますが、右回り(正回転・時計回り)方向には
動かなくなっています。2枚歯車側で機構的にロックしている様な感じです。



そこで筒カナを逆回転(左回転)させ、2枚歯車とのタイミングを少しずらしてやると、
また動くようになりました。

フックも外して2枚歯車の違った凹みに咬ませてみます。するとチャイムが6回鳴るように…
これも毎時6回鳴ります。しばらくその状態で時計は動いていますが、また止まってしまいます。

同じ様に筒カナを回して再稼働させ、フックも変えてみると今度は毎時2回鳴ります。
また止まって同じように調整して、今度は5回鳴ってまた止まって…。

結局止まるのか



めげずに2枚歯車自体をよくみてみます。

フックを外した状態であれば、下の大きい歯車に対して上の小さいギザ歯車は1回転ほど
回せるようになっています。画像では見えませんが小さな突起がストッパーになっていて
それ以上回せないという仕組みになっています。何故?

あまりにも怪しいので、試しに回転位置がストッパーに近い側になるように
フックを咬ませてみました。すると。

チャイムは2回だけ鳴る位置のようですが、鳴るタイミングが違ってきました。
今まではチャイムが鳴った後に「カシャ…」と小さな音がしていたのですが、
今回からは「カシャ…」音の後にチャイムが鳴るように。タイミングが逆転しました。

思うにこの「カシャ…」の音は、フックをずらす機構の音ではないかと。
毎時正刻数のチャイムを鳴らす為のフックの移動というのは、
チャイムが鳴った後に行われるのではなく、
チャイムを鳴らす直前に行われるのが正解なのでしょう。
部品さえ揃っていればキチンと働くはずです。

而してそれから5日の間、
時計は元気に動いてくれています。ストップしなくなりました(喜。


ああ良かった動いてくれた。
ひと安堵です。


テンプさえ止まらなければ例えば「時報2回・半刻1回チャイムが鳴る時計
として使えなくもないですね。

時合わせ出来ませんが…ああ小鉄車。

どっかにない?小鉄。

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