■  金彩文字版 銀無垢 懐中  ■

メーカー:不明 SWISS製?
カギ巻きカギ合わせ
8石
シリンダー脱進器
1870〜1900製?


カギ巻きの金彩文字版。直径40_。

提げ輪・ネックにも彫りが施されていています。

裏蓋の彫刻です。凝った作りになっています。

ヒンジ部分もしっかりです。側面彫刻も見事。

リューズ部分のポッチを押すと裏蓋がカパンと開きます。

裏蓋内側。85039のケース番号と935銀表示。ホールマーク。

中蓋の中心に時合わせ穴。隣にネジ巻き上げ穴。付属のカギを使います。

中蓋内側にもケース番号とホールマークが。

テンプ押さえ石です。機械の割に大きな石が使われています。

機械番号85089はケース番号と合っています。

31の刻印も。

機械の文字版側全景。

テンプ部品洗浄中。シリンダー内部は念入りに洗います。

2・3番車。

香箱部品設置。カギ巻きガード取付。

4番車とアーム取付。

ガンギ車取付。

テンプ部品組立。クサビの位置は後で微調整したりします。

テンプ取付。

日ノ裏車と筒車取付。右上に見える香箱ですが、巻き泊まり機構用の星形歯車は元からありませんでした。

文字版と針を取付。美しい彩色の文字版です。

ケースに入れます。

慣らしのあと若干の微調整を行います。

非常に美しい金彩文字版はヘアラインのないミントな状態です。
赤青緑そして金銀と贅沢な多色使いで中央に花と草、外周にも
金彩を多用した模様が施されています。黒のローマ数字とシンプルな
分刻表示はクラシックな雰囲気を強めており、銀金色の長短針とも
バランスが取れていて全体的に上品な印象を与えてくれます。

銀無垢のケースも彫刻模様が素晴らしく銀特有の渋い輝きを
際だたせています。裏中蓋共に番号とホールマークがあり
カギ穴の周囲にもかわいい模様が入っています。

シリンダー脱進器のムーブメントは稼働品です。シリンダー古懐中の
場合は多くが不動(振るとテンプは動くが連続して稼働しない)だったり
不安定(ガンギ爪の一部で止まったり数分で停止する)な事がありますが
この機械は24時間以上しっかり稼働してくれています。時間差は平置きで
日差+12分前後程です。またこのタイプの懐中はスモールセコンド(秒針)の
無いモデルが多いのですが、この懐中はスモセコ付きですので作動状態を
確認しやすいというのもポイントが高いと思います。

石の使用箇所はテンプ穴石・受石×上下、ガンギ車穴石×上下、
4番車(秒針車)押さえアームの穴石、3番車押さえアームの穴石で
8石になっています。

とにかく文字版の美しさに尽きる素晴らしいアンティーク懐中ですが、
100年以上経っているお年寄り時計ですので状態は本来デリケートであり
扱いは充分ジェントリーに行う必要があります(どの古物品にも言える
事ではありますが)。

特にカギを使っての巻き上げ操作ですが、香箱の真を直接巻き上げる
仕組みになっているために巻きバネが痛みやすいです。時計本体をしっかりと保持し、
カギは必ずまっすぐ差し込んでやさしくやさしくこの上なくやさしく巻き上げます。

巻き止まりの手応えがあったらそこですぐ巻き上げ動作を終了します。
巻き止まりの感触をしつこく確認するのはNGです。このタイプの懐中は
何故か香箱の巻き止まり機構の星形歯車が欠品している事が多い為に
ストップがかからず、機械に負荷をかけてしまいます。

少しでも差し込み角度が斜めになっていたり、またその状態でカギを持つ指に
若干でも抵抗を感じたままで巻き上げるべきではありません。カギの角度が
傾きすぎると角真の回りをかこっている筒状のガードに当たり、そのガードを
止めている小ネジが容易くもげたりします。時間合わせ操作についても同様です。

あわてているとカギについているヒモなどがカラんだりしやすいです。
巻き上げる時の「カチカチカチ」の「カチ」音1つ1つを、詫び寂びの心情
味わうくらいのゆとりをもって落ち着いて作業して下さい。





(取り扱いの注意ばかりになってしまった… まあ携帯実用品としての最低限の強度は
あるわけで掟を破ると即故障という事ではありません…心構えという事でご了承下さい。)

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