■  HAMILTON レイルロード ■
裏スケルトン

メーカー:ハミルトン
アメリカ 1905年
21石
リューズ巻き上げ 剣引き合わせ


ハミルトンの大型鉄道懐中時計です。
大変視認性に優れた文字版です。

裏蓋はスケルトン仕様になっています。
時計販売員の営業用と言われています。

リューズ受けに大きくシリアルが。Hamilton Production Dates によれば 500000-624999 台は1905年製となっています。

高級鉄道仕様21石の多石使いで、細かい石も
ねじ止めされています。

洗浄中。バランサー?付きのアンクルです。

角穴車に相当する分厚い歯車一体型の
大きな香箱。安定した駆動力を内包します。

巻き上げヒゲチラネジ付きバイメタル切りテンプ。
精度追求の為か平頭のチラネジが対角線上に使われています。

テンプ部組上げ。長いツノは一見緩急調整針の様ですがこれはインジケーターです。緩急調整はテンプ受け側面のネジで行います。

筒カナには切れ目があり2番車の軸が見えます。

押さえ版側のテンプ穴石と受石。
アンクルとガンギ車の穴石も見えます。

各輪列の仮置き。
アンクルをガンギに寄り添わせて立てます。

こんな感じ。
プレート左を少し低くすると安定します。

押さえ板の穴にスライドさせるように入れ、各輪列の芯を入れていきます。1枚板ですが大きいので解りやすいです。

プレートのシリアル。

ケン引き時合わせ機構。

レバーを引くとリューズの力が日ノ裏車に伝わります。。

大型のテンプは力強く且つ安定して回ります。

テンプの止まった状態。

側面より。厚みのある地板&フルプレートと太い支柱は時計の機構をしっかりと保護しています。

側面保護版も厚いです。

裏蓋はディスプレイ用にスケルトンになっています。
590689
SAFETY  PINION
Hamilton
Watch Co.

940
21 JEWELS
ADJUSTED 5 POSITIONS
Lancaster,Pa.
(ランカスター?は地名でしょうか)


剣引きなのですが、表蓋を開けてレバーを引き出します。

よいしょ。こんな具合。

巾55_ 重さ116c

ずっしりと大きく存在感抜群です。

グレード940ハミルトン鉄道懐中です。

この個体の特徴はやはり裏スケルトンでしょう。
時計会社の営業マンが鉄道会社へ時計を売り込みに回る時に
裏蓋を透明にする事で中を見やすくして機械の美しさや正確性・
機能性をアピールしたものと言われています。

ディスプレイ重視という事で時計自体もさることながらプレートの
地紋模様や刻印も大変綺麗に仕上げられています。

剣引き時合わせですが、蓋を開けてレバーを操作する仕様になって
います。これは滅多に時間調整をする必要はないですよという鉄道時計
には必要不可欠な正確性に対する自信・アピールの方法でしょうか。

レバーを内包することで外との隙間を完全に無くし、ホコリや
湿気から機械を守るための気密度を上げるという目的も果たしています。

因みにレバーを引き出す為の表蓋の開け方はコジアケを使わなくても
素手で簡単に開けやすい作りになっています。
蓋の出っ張りに右手親指の爪を直角に当ててちょっと力をいれれば
カパッと開きます。蓋や本体を落とさないようにくれぐれも注意です。

出来ればレバーを出すときは画像のように蓋を少しだけ開いて
時合わせしますとホコリなどがつきにくくなります。

上画像にもありますがテンプ部にある長いツノは緩急調整針では
ありません。緩急の調整はテンプ受け側面のネジで行います。
微細な緩急調節が可能な機構になっています。

また当たり前の事ですが裏スケルトンの懐中は鉄製の蓋が無い
衝撃に弱く乱暴に扱うと割れやすいという一面があります。両面共
ガラス
ですので取り扱いには一層注意が必要です。

これから懐中時計を集めてみようという方は、鉄道懐中から
スタートするのもいいかもしれません。大きく重く存在感があり
正確性と堅牢性を兼ね備え実用性も高く、普段使いする事で
より愛着も寄せやすいのではないでしょうか。



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