■ Tavannes

メーカー:タバン
スイス 1900年前後?
7石 ニッケル オープンフェイス
リューズ巻上 ダボ押し時合せ


Tavannesのローマ数字文字版懐中です。

テンプ押さえの高さを微調整してありました。

輪列押さえも紙の厚さを変えて調整。

巻真部分にも。スレ当たりが強かったのでしょうか。
香箱右下の部品はネジ逆回転防止の爪です。

輪列押さえを設置。

ガンギ車と押さえを設置。

アンクルと押さえを取付け。

テンプ取付。

ダボ押しの時送り機構ですダボに押されて中間小鉄車が下がり、日ノ車・筒車を回します。

日ノ裏車・筒車の下には筒カナがあり、2番車軸に固定されています。2番車軸はピン状の部品で2番車の筒の中を通り、摩擦によって半固定されています。

タバン・ウオッチ・カンパニーのローマ文字版。輸入当時このローマ字標記の文字版は日本人に人気が高かったそうです。

針を取付け。瀬戸板の白に漆黒のローマ文字&針が冴えます。

ダボ押し・ローマ文字版のタバン懐中時計です。
年代は不明ですが前回のタバンより少し古い物かと思われますが、ニッケルケースの
独特の色合いを持ち、ずっしりと重く大きい本体は存在感があり保持感も良好です。
大きなリューズは操作しやすく巻上げる感触も楽しめます。

OH前は風防の裏側に細かい油滴が一面に付いており、不動の状態でした。
また文字盤の止めネジ3つの内1つが欠品し、地板側テンプ伏せ石止めネジ2本の内1本も
欠品していました。画像にもありますが輪列押さえの4箇所において紙片を噛ませて高さを
調整してありました。テンプに損傷はありませんが輪列が全く動かない状態でした。
これはムーブをケースに止めるネジが外れて4番車の深い所で挟まっていたのが原因でした。
ネジを取り除くと各輪列はスムースに回りました。4番車には特に深い傷や歪みはありませんでした。

さらに組上げてからの運針が不安定でした。テンプは元気よく振れていて秒針も動いているのに
長短針が動いたり動かなかったりします。また時送り操作の手応えが非常に軽く、長針に軽く
触れるだけでズレてしまいます。

これは2番車筒とその軸がすり減って摩擦力が弱くなり、輪列からの力が伝わらなくなる
症状(置き回り?)です。2番車とその軸が一体になっている時計の場合は筒カナとの摩擦が
弱くなります。古い時計に多い症状で2番車軸の減り方が歪(イビツ)だったり欠けが
入ってしまっているとやっかいです。軸ピンの新品などはまず調達できませんので
軸の断面を真円になるように表面を磨き、2番車軸または筒カナとの摩擦を重軽なく
そしてムラなく調整します。今回の場合は組上げてからの時送り手応えが少々硬目に
なってしまいましたが、運針は順調になりました。



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