■ メインスプリングの巻入れ ■ 香箱に巻きバネ(メインスプリング)を入れ込む作業は専用工具(持ってない) がないと難しいと思っていましたが、前回ジャンク時計をバラしてみた こともあってフリーハンドでやってみました。 分解時に香箱からバネを取り出す作業自体は、細平先なペンチでバネ内側端を摘んで引っ張るだけです。懐中時計のバネは結構強いので、バネの飛出しやケガ防止のため透明なビニール袋の中でやるといいかも(底を切って筒状にして両側から手を入れて使います)。たまに細かい部品が入っていたりしますので、作業後は念のためビニールの中を確認します。 ![]() 分解後の香箱。内側奥に見える出っ張りにバネの外端が引っかかります。 ![]() バネの止まりを良くするためバネの切端を噛ませている場合もあります。 ![]() 中軸を入れます。上下の向きに注意。 ![]() バネの内端の穴を中軸の出っ張りに引っかけます。 ![]() バネを斜めにして押さえ、ピンバイスで中軸を挟んで固定します。 ![]() 横から見るとこんな感じ。このままバイスを回してグリグリと巻き込んでいきます。結構力が必要です。この時点で中軸からバネ内端が外れてしまう場合は、バネ内端を内側に少し曲げるなりして中軸の太さに合わせて角度を調節します。 これが外れやすいと完成しても時計のリューズ巻上げ操作自体が出来ません。またこのやり方ですと、巻込み最後に外端の折り返し部分が香箱のヘリに引っかかるので注意です。コツとしては、引っかかる直前に折り返し部分を外側から押さえつけて一気に巻込みます。一番力がいる時点での作業でしたが、無理せず何回かやり直す事で割と簡単に出来ました。 バネが飛び出すと結構危険です。目に当たらないように。ここでもビニール袋を使うといいかもです。 ![]() 入りました!バネが平らになっているか確認します。特に内外端など。注油をして、香箱のフタを閉めます。きちんと閉まるか確認します。バイスで試し巻きをして油を馴染ませつつ、内外端が外れていないかスムーズに回るかどうか手応えを見てみます。 ここで力が足りないためにどうしても外端の引っ掛かりまで確認出来ない場合は、一旦時計に仮組んでしまってリューズで巻いてみてもいいです。カシャカシャ音がして空回りするかもしれませんが、諦めず何回か巻いているとうまく引っかかったりします。一度引っかかれば簡単には外れなくなります。 |
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