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■ 皮ケース入り 旅行用時計 

メーカー:不明
スイス製 製造年不明
15石 旅行用皮ケース
ベースメタルケース
リューズ巻上 リューズ引き時合せ



 折りたたみ式の皮ケースに入った旅行用の時計です。

 時計本体と表ガラス蓋の間には隙間があり、皮ケースを挟み込んで固定する様になっています。ガラス蓋はねじ込み式なので着脱は楽に出来ます。リューズも6時位置に配置されており、予めケース入りの旅行用として設計されています。ケースの留め金具の凹側(写真のリューズの下位置)が欠損しています。

 前に時報付き時計としてUPしたこれは、「もしかしてデッキウォッチ?」と書きましたが明らかに今回と同タイプの時計ですね(スミマセン)。この時計もあれからたまにいじっていますが、元から完全ではなかったので正常な動作が解りません(筒カナに逆回転防止用のピンがあるので、もしかするとここに板バネでも当たっていたのではないか?と想像出来たくらい)。各正時にその時間分カンカン鳴るのと、加えて半刻毎にも1回カンと鳴る凝った機構なので、何とか甦らせたいところです。

 今回の時計は時報時計と比べると鳴り物やスモセコも無くいたってシンプルです。旅行用を前提にしているだけあって大型で視認性が良く、堅牢な作りになっています。旅先でケースを開け、上画像の様に置いておくと、大荷物の中でもかなり目立っていたのではないでしょうか。


 時計本体。時報時計と同じ形です。

 裏蓋は蝶番式。真鍮の様な色合いです。

 ガラスを外す。文字盤にヒビなどはありません。

 蛍光塗料のドットはかなり劣化しています。

 短針の塗料も剥がれています。

 裏蓋内側のNo。93471。

 SWISSの刻印。



 文字盤の下にオシドリを緩めるネジがあるので、先に文字盤を外し、ネジを緩めてリューズを外し、機械を枠から取り出します。

 文字盤の下には93471の刻印。

 DEPOSEの刻印。機械は外注品でしょうか。

 裏蓋の蝶番部分に23407の刻印。

 地板に27の刻印。

  機械眺望。丸穴車が2つあり、その1つにコハゼ(逆回転防止のラッチ)が付いているのがわかります。角穴車と合わせて3枚の歯車を使いネジを巻く機構になっています。リューズを巻くと、まず1つめの丸穴車がツヅミ車からのトルクを減速して2つめの丸穴車に伝え、2つめの丸穴車ではコハゼを噛ませつつ逆回転を防止しながら角穴車へ伝え、角穴車では巻きバネを巻く仕事のみを担当しています。リューズからの力を無理なく滑らかに伝え、心地よい手応えも感じられる機構です。部品数が多くなる=故障の確率が増える事になりますが、大型の時計の場合は写真の様に歯車も堅牢に作る事が出来るので、大きくシンプルかつ駆動力の強い時計には合っているかもしれません。


■標記■
文字盤 ☆印
SWISS

ムーブメント SWISS
M
93471
DEPOSE
27
 
裏蓋内側 93471

ケース 23407



 テンプ・アンクル・ガンギ車を外す。

 丸穴・角穴車、輪列押さえを外す。

 巻き上げ機構が凝っているだけあって、巾の広い厚みのあるトルクの強い巻きバネが使われていましたが、残念ながら切れていました。バネが強すぎた?

 巾や厚みもさることながら、外端がフック式になっていました。特殊なバネなので交換品はなかなかありません。規格は合わないまでも大きめのフック式があればあるいは…。

 洗浄。

 ケースまで洗うと結構汚れが出てきます。

 各輪列、香箱等を配置。


 押さえ、角穴車を取り付け。写真で解る様に厳密には「角穴」ではありません。

 2つの丸穴車を取り付け

 ガンギ車と押さえを取り付け。

 リューズ機構を組み立て。バネ切れの為2番車を回してザラ回りを確認。

 リューズを引くとこの様にツヅミ車が下がります。


 巻き上げヒゲチラネジ付きバイメタル切りテンプ。いかにも高トルク骨太筋肉質?なテンプです。


 アンクルを取り付け。

 テンプを取り付け。バネ切れのため動きません。

 取り敢えず一旦組み立ててしまいます。枠に入れ、日ノ裏車・筒車・文字盤・針を取り付けます。

 皮ケースへ取り付け。


バネ切れの為大変残念ですが不動品です。大きめのバネが見つかって
うまくはまれば試しに稼働させてみたいと思います。


 直径 65.03 mm 。

 重量 172.4 g。旅行用にしては重いか。

(2007.H19.06.19)




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