三銘堂TOP  時計画像 OH手順表 作業道具 覚え書 HPの記述 画像掲示板 直売 LINK 書籍


■ TAVANNES 銀無垢 ハンターケース 

メーカー:タバン
スイス製 1920年前後?
17石 ハンターケース懐中
935銀無垢
リューズ巻上 リューズ引き時合せ
( 追記:070629 ガラス補充 )


 タバン銀無垢のハンターケース懐中です。

 純度の高い935銀無垢ケースはシンプルながら存在感のある渋い輝きを持ち、また大型でずっしりと重量感があります。リューズを押すと飛び跳ねる様に蓋が開き(かなり元気に開きます)、内側にはあの有名なTRUSTY犬印が大きく刻印されています。

 文字盤は白瀬戸に黒くローマ時標記、外周には格子と15分毎のダイヤドットで分標記されています。スモセコ付き。黒のオープンダイヤ針とのバランスも良く視認性に優れています。ヘアライン・ヒビ・欠けもありません。

 振ると動く程度の半停止状態でしたがOHしてみると機械の部品には異常欠損はありませんでした。凝固オイルを洗浄し、テンプ回りの若干の微調整後は大変安定して稼働しています。これだけのタバンなのですがガラス風防が無いのが残念です。ハンターケース用のガラス風防は薄く平坦なためサイズに合う物がなかなか見つからないのですが、状態の良いタバンですので何とか補充したいと思い現在捜索中です。


 中心の円が大きいのが表蓋です。勢い良く開くのでしっかり持ってリューズを押します。

 円の小さいのが裏です。全体的に大きなキズや凹みはありません。

 ヒンジ部。ガタもなくしっかりと閉まります。

 丈夫な提げ輪。ホールマーク刻印があります。

 リューズ部より。厚み・強度・重量感を持つ堂々とした見事な935銀無垢ケースです。

 表蓋内側の犬印。935銀マークと245097。

 犬印アップ。表情もわかる程くっきりと見えます。

 裏蓋内側。ケースNoの刻印。

 中蓋内側。

 中蓋表の下側メダルアップ。シュオーブ社名刻印も。

 同じく上半分アップ。

  機械眺望。ガンギ車までが1枚のプレートで押さえられています。シャトン留め穴石に微調整緩急針付きテンプ。タバンのエンブレムも凝っています。ホールマークも見えます。

■標記■
文字盤 Tavannes Watch Co

ムーブメント TAVANNES
WATCH Co
エンブレム付
MODERE
DEPOSE
964393

表蓋内側 犬印
TRUSTY
0.935
ホールマーク
245097

 
中蓋外側 TAVANNES
WATCH Co
SCHWOB
FRERES & Co
メダル装飾

中蓋内側 0.935
ホールマーク
245093

裏蓋内側 0.935
ホールマーク
245093



 タバン・ウォッチカンパニー刻印。

 緩急針アップ。ドライバーで回します。

 ホコリ防止?のワク付き。

文字盤を外す。針座(ワッシャ)付き。

 「MODERE DEPOSE」刻印。

 「964393」シリアルNo?。

 平ヒゲバイメタルチラネジ付きテンプ。状態良好。

 アンクルと押さえ。No入り。

 角穴・丸穴車は、両方とも角穴が切ってありました。ちなみに両方とも順ネジです。

 輪列押さえ。ガンギ車穴石だけ飛び出しているのがユニークです。

 押さえを外したところ。リューズ部(ツヅミ車の所)に丸い部品が見えます。

 このホイールギヤは押さえを挟んで丸穴(角穴ですが)車と一体になっています。

 香箱の中。古いグリースが固まっていました。

 時合わせ輪列は1枚で押さえられています。

 こちらもオイルのこびり付きが。

 分解後。

 洗浄。

 地板に各輪列部品を配置。

 ツヅミ車の上に。

 例のホイールギヤを置く。

 正確にはキチ車に噛ませる形になります。

 押さえを取り付け。大きいので真合わせも楽です。

 リューズを差してザラ回りを確認。

 アンクルを取り付け。

 テンプ部品。

 組み立てます。

 時合わせ部品とテンプ穴石を、

 取り付けます。

  テンプを取り付け。元気よく動き出しました!ガンギ車の残像もハッキリ。

 文字盤とワクを取り付け。


 針を取り付け。

 機械側遠景。

機械・文字盤・ケース・仕様共に良好な状態のタバンです。恐らくですが、
ガラスが割れたため使われずにずっとお倉入りしていたのでは?と推測
しています。リューズを引く時はカチッと手応えがあるのですが、戻す時の
手応えがあまり感じられないというクセがあります。機能的には全く問題
なく動作します。現物を見るとやはり何と言ってもケースが見事ですので
何とかガラスを見つけて補充したいところです。


 直径 50.92 mm 。

 重量 90.3 g。

 タバン社は、シュオーブ社を親会社とするグループの内の一社で、装飾を主な
担当としていました。グループには他にシーマ社、サンドス社があります。

 シュオーブ社は日本へも数多く輸出し、日露戦争(1904)後の好景気の中、庶民層にも
懐中が浸透していきました。中でもこの犬印タバンは流通量が多く認知度も高いです。


中蓋OH前

OH磨き後

(2007.H19.06.23)




ガラス風防補充 (2007.H19.06.29)

 ハンターケース用のガラスはサイズの合う物がなかなか見つからないのですが、今回は割とすぐ見つける事ができました。


 同じ様なサイズの物を3枚入手。

  問題はシール痕ですが…

  3枚とも綺麗な表面でした。

 汚れもなく透明度も高いです。

  どれを使うか。

  枠の内寸が 42.19 程。

  この 42.15 を使用してみます。

  2昼夜ほど圧をかけて完全に接着させます。

  ガラス風防装着後。乾燥後も若干の粘度を保つ樹脂を使う方が良い様です。はみ出たりダマになってしまった残滓等も除去し易いです。これでひととおりの完成となりほっとしました。


三銘堂TOP

時計画像

OH手順表

作業道具

覚え書

HPの記述

画像掲示板

三銘堂直売

LINK

書籍