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■ HAMPDEN Wm MCKINLEY 17j ■

メーカー:ハンプデン
アメリカ製 1918年
17石 GF
リューズ巻上 リューズ引き時合わせ
表中裏蓋共蝶番式



 ハンプデン Wm マッキンリー 1918年製(時計史年表:大正7年・米騒動の年・笑)です。マッキンリーはスプリングフィールドやレイルウェイと並んでハンプデンの代表的なモデルの1つです。21石だとレイルロードグレードになるのですが、これは17石です。テンプもシングルローラーです。最高級モデルではありませんが手にしっくりと馴染み重量感もあり、左手に掲げ持つと心地良さを感じます。ウォルサムやエルジン等とは受ける印象がちょっと違う感じがします(あくまで個人的な感想)。

 ダブルサンク文字盤に大きい漆黒のアラビア時表示とスペード長短針、赤い5分毎の分表示を持ちレイルロードと同等の視認性を備えています。文字盤に僅かの欠けとヒビ(後述)、あと丸穴車の歯が1本欠けて(これも後述)います。もちろん機能的には問題ありません。


 細長い首と提げ輪の形状に品の良さを感じます。リューズも捲上がしやすい形状です。

 表蓋は蝶番式です。1918年製にしてはクラシックな仕様かなと思います。

 裏蓋にはイニシャルが。FMF?TMT?

 中蓋はプレーン。

 裏蓋内側。Illinois WATCH CASE CO. ELGIN U.S.A. 2187998 。イリノイとエルジン両社の名前が。棍棒を構えるヒゲモジャ男の意匠が面白いです。

 中蓋を開ける。重厚なムーブメントが現れます。



中蓋内側のGF刻印
THIS CASE GUARANTEED TO BE
MADE OF TWO PLATES OF GOLD
WITH PLATE OF COMPOSITION
BETWEEN AND TO WEAR
20 YEARS
2187998


 機械全景。明るいですが目に眩しく映る程ではなく各部が見やすい機械です。波模様の巾が太めだからでしょうか。刻印も太く黒く深く彫ってあり読みやすいです。Wm Mckinly の自体もシリーズとしての差別化を主張しています。緩急針も当店では初めての仕様でバネの形状は独特のものです。テンプも大変元気に振れており安定した稼働状態を保っています。


■標記■
文字盤 Hampden Watch Co.

ムーブメント 17JEWELS
ADJUSTED
3457820
Wm McKINLEY
社刻
CANTON, O.
SAFETY PINION
3457820
裏蓋内側  Illinois
WATCH CASE CO.
ELGIN
U.S.A.
218799

 
中蓋内側 THIS CASE
GUARANTEED
TO BE
MADE OF TWO PLATES
OF GOLD
WITH PLATE OF COMPOSITION
BETWEEN
AND TO WEAR
20 YEARS
2187998
ケース枠 2187998



 機械を外す。蓋3枚共蝶番式です。


 ダブルサンク文字盤裏。きっちりとハンダ留めされています。

 文字盤を外す。重なりの少ない時合わせ装置です。

 分解後。

 テンプ伏石留め。

 方向合わせのキズが入っています。

 テンプ部品組み立て。


 バイメタル切りテンプチラネジ付き巻き上げヒゲ。シングルローラー。

 文字盤側のテンプ石を

 取り付けます。

 丁寧に面取りされたガンギ車。スマートです。

 リューズ真部品。細ピンが通っています。

 メンテしやすい筒カナ。外しやすい。

 17石なので2番車にも穴石があります。

 リューズ部品、香箱、2・3番車を乗せる

押さえを取り付け。

丸穴・角穴車を取り付け。鏡面とサンドの交互仕上げは変化が面白くキズも目立にくいです。

 レバーを引き出すとケースに入れなくてもザラ回しが出来ます。歯が1本欠けているのがわかります。

 巻き上げではこのように前後の歯が補完しますので引っかかる等の不快な手応えはありません。

 アンクル部品。表面など状態が良いです。


 アンクルを取り付け。

 テンプ取り付け。すぐに元気良く稼働しました!

ドスンと重みのある、何とも重厚な風貌のムーブメントです。
ぴたっと嵌ったネジ留めシャトンや主張し過ぎない波模様、
読みやすい刻印など好感の持てる造りになっています。


 345782 Wm McKINLEY

 ハンプデンの社刻 CANTON, OHIO

 17JEWELS ADJUSTED

 SAFETY PINION

文字盤下にもシリアル 3457820 。

ケース枠にもNo 中蓋と一致します。

レバー(上部に飛び出ている)を引き出すと巻き上げが出来ます。これはケースに収めた時のリューズの通常位置と同じです。

 レバーを入れると時合わせ位置になります。メンテ時に動作の確認がしやすい仕様です。


アンクル爪への注油も同様です。

はっきりと爪が視認できます。

ガラス風防ですが、私がいつも気にしているシール痕による腐食がみられました。

サイズの合うストックがありましたので交換します。


文字盤を取り付け。スモセコの12秒位置のあたりに欠け有り。

針を取り付け 1時表示の下にヒビ有り。


 冒頭でも述べましたがこの個体に限らずハンプデンの時計には他社と比べて
何かしら違った印象を受けます。具体的な根拠もなく個人的な思いこみなので
しょうが、何となく不思議です。外観か部品の配置か佇まいか…。


 直径 51.19 mm。

 重量 94.4 g。



(2008.H20.03.04)


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