三銘堂TOP  時計画像 OH手順表 作業道具 覚え書 HPの記述 画像掲示板 直売 LINK 書籍

 (「面白かったよポン!」的な応援ボタンです。店主が元気になるという効果があります。)
Happy Time 銀無垢 ハンターケース 方位鎖 ■

メーカー:不明
スイス製 1903年前後?13石
900銀無垢ハンターケース(精工舎)
リューズ捲き リューズ引時合わせ
表中裏蓋蝶番式



 ハッピータイム銀無垢ハンターケース懐中時計です。精工舎では1893年時計史年表:明治26年から大正にかけて自社製のケースにスイス製の輸入機械を組み込んで販売しており、このハッピータイムはその頃の製品になります。ケース蓋の裏には「月に三雁(がん)」マークが入っています。このマークは明治30年以降のタイムキーパー(精工舎初の自社製懐中時計)のケースにも使われていましたので、製品ごとのマークというよりは、精工舎を示すものとしての意味合いが強かったのかもしれません(或いは後から換装された?)。

 文字盤は白瀬戸に黒細身のスペード針と同じく黒細身のローマ時表記となっており、クラシックで見やすいデザインになっています。またこの白地の透明感は非常に高く、コントラストが特に際立っているのが特徴です。ケースは900銀無垢ハンターケースで厚目でしっかりとした作りになっています。蝶番も表裏蓋とも頑丈に出来ています。

 2連チェーンと方位磁針提げ飾りがセットの古い懐中です。全て当時の物と思われます。セットでこれだけ状態の良い物は貴重だと思います。古い物大好きな店主としてはかなり惹かれてしまう逸品です。


■外観・刻印■

付属品の2連鎖。方位磁石付き。

方位磁石の裏側。木に止まる鳥が彫られています。

表蓋は中央に銘を入れる円があります。

裏蓋も蝶番式。固めでしっかりしています。

表面の魚子(ナナコ)模様もしっかり残っています。

リューズを押すと蓋が開きます。

「月に三雁(がん)」マーク。

綺麗な白瀬戸に「Happy Time」の銘が映える。

 機械全景。機械自体はスイスからの輸入品のため、丸・角穴車やテンプを丸く囲むデザインなどは商館時計のものと大きな変化は無く、厚く無骨で頑丈な実用品といった感じです。裏蓋を開けるとガラス越しに中の機械が見えるという様式が踏襲されているのは嬉しい限りです。2・3・4・ガンギ車押さえの穴石回りに金枠がネジ止めしてあります。貴石が留めてあったものか或いは油留めでしょうか。どちらかというと装飾的な意味合いが強いものかと思います。

使用石数は、テンプ回りに5、アンクル爪石に2、アンクル穴石上下2、ガンギ車穴石上下2、4番車穴石上1、3番車穴石上1の計13石で、当時の一般向け時計としては高級仕様になるかと思います。


分解・洗浄■

銀の比率が高い為か独特の黒ずみが強く出ていました。銀無垢の醍醐味。

その状態での三雁マーク。黒ずみのある方が強く浮き上がって渋いですね。

ネジ止め金枠。緩急針の刻印「S」がネジで隠れています。やはり装飾度を増すための後付けでしょうか。

プレート側のテンプ穴石と伏石。片寄ったオイルがそのまま乾いています。

丸・角穴車プレート。止ネジの長さが3本とも違っています。

リューズ部品。ホコリが溜まって錆が一番出やすいところです。

リューズ溝のバリが残っていました。

結構多く残ってますね。

シンプルなリューズ引き部品。丈夫で故障が少なく、メンテがし易いです。

プレートに円3つを射抜く矢の刻印。機種ごとのグレードを表すものでしょうか。

■組み立て■

分解&洗浄。錆落としや磨きも。

2番車と香箱、プレートをネジ止めします。

丸・角穴車取付け。上下の関係から、先に4番車を取付けます。

4番車の後から3番車を取付け。2番・3番車用のアームを取付けます。

ガンギ車設置。ザラ回しで回転を確認。

アンクルは短いシンプルなものです。

テンプ部品を組み立て。

ヒゲゼンマイは綺麗な同心円を保っています。

テンプ取付け。

元気良く動き出しました!

リューズ部分通常の巻上げ位置。


リューズを引くとオシドリに押されてカンヌキがツヅミ車を下げ、日ノ裏車に接続します。

文字盤設置。

長短秒針を取り付け。

付属の2連鎖。洗浄すると素晴らしい輝きが。

方位磁石の提げ飾り。

繋ぎ環に「銀」の刻印!この渋い和テイストが素晴らしい。

2連鎖を束ねる銀環。中に皮が仕込まれていて適度な抵抗を保ちながらスライドします。

試験稼動中。安定後、ガラス中枠を嵌めます。個人的には鎖の方にも魅力を感じてしまいます。


形から見て、チョッキのポケット用として使うタイプでしょう。スライド環を利用して2本の鎖の垂れ具合に長短を出し、豪奢感を演出します。

(2009.H21.12.27)


三銘堂TOP

時計画像

OH手順表

作業道具

覚え書

HPの記述

画像掲示板

三銘堂直売

LINK

書籍
 
OH