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「鷹に三日月」 ヲロスジーバアグ 商館時計 銀無垢  ■

メーカー:ヲロスヂーバアク商会
スイス製 1897年(推定)前後16石
800銀無垢オープンケース
リューズ捲き ダボ押し時合わせ
表裏蓋蝶番式



 ヲロスヂーバアク商会の銀無垢オープンケース商館時計です。ヲロスヂーバアク商会はフランス人のオロスジさんとバックさんの二人が百貨店として創業しました。横浜での営業年は1895-1903時計史年表:明治28-36年ですのでおよそ明治30年前後の製品ではないかと思います。

 文字盤は白瀬戸に黒細身のローマ時表示・1分毎の破線・15秒毎のドット表記、さらに5秒毎のアラビア表示となっており、金色細身の飾り石付矢印長短針との相性が良く、繊細な表情と視認性の高さを併せ持っています。この様な文字板と針の組み合わせは商館時計独特のデザインです。

 裏蓋刻印が見事です。銀無垢を示すマークは勿論の事、左読み和名カナの社名に「ETABLISSEMENTS−OROSDI−BACK」の英字名があります(今風の読み方だと「オースディ・バック」とでもなりましょうか)。「ヲロスヂーバアク」は当時の読みが通称として定着した例かと思います。古物ファンとしては「ヲ」「ヂ」「バアク」の仮名使いにも固執したいところです。

 「鷹に三日月」の意匠がまた秀逸です。鷹か鷲かは定かではありませんが三日月を掴み両翼を広げ虚空を睨むデザインには力強さと迫力があり、裏蓋を開けたときのインパクトは絶大です。


■外観・刻印■

銘はありませんが綺麗な顔をしています。

視認性は針先までビシッと高い。

石も残っており矢印針も揃っています。

リューズも大きく頑丈です。扱いやすい。

ネック部分にも銀無垢の刻印。

裏蓋を開けると例のマークが。

迫力のあるデザイン。

800銀のマークもしっかりあります。

 機械全景(OH前)。梨地仕上げのオーソドックスな商館の機械ですが、中央部2番車穴石と輪列の飾り石の濃紅さに目が行きます。OH前の画像なのでガンギ車の飾り石が欠損しています。すぐ左下に補充後の画像があります。中蓋ガラスによって「魅せる」仕様の商館時計ですので、やはり目を惹く仕掛は完備でありたいです。


分解・洗浄■

輪列部分拡大。OH前。

OH後。ガンギ車飾り石の補充と錆の除去。

丸穴車と角穴車。軽微ですが錆があります。

プレートのネジは長さが違っています。

テンプ伏石の代用板。古い懐中に多い補修。


ガンギ車飾り石は他個体からの補充です(左)。たまたまサイズの合う物がありました。

ラッチと押さえバネ。これも錆がありました。

錆落としと洗浄。

■組み立て■

洗浄後。

地板に香箱を置きます。

プレート取付。ネジの長さに注意します。

角穴・丸穴車取付。

3番車押さえと飾り石を組立・注油。

取付。

同様に4番車・ガンギ車押さえを組立。

取付後ザラ回し。回ってます。

アンクル部品を

取付。

テンプ押さえ側伏石は健在。

テンプを組立。

テンプ取付。元気よく動き出しました!

文字盤側の運針輪列を取付。

銀無垢ケースの筐体。

蓋のNoが判読不能なほど摩耗していました。

今回は仕上げ後の撮影を失念してしまい、あまり画像を残せません
でした。素晴らしい商館時計なだけに残念です。



(2009.H21.12.29)


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