三銘堂TOP  時計画像 OH手順表 作業道具 覚え書 HPの記述 画像掲示板 直売 LINK 書籍

 (「面白かったよポン!」的な応援ボタンです。店主が元気になるという効果があります。)
J W Benson London ■

メーカー:J.W. BENSON
1900年 イギリス製 15石
銀無垢 オープンケース
鍵捲き 鍵合せ
表蓋嵌め込み・中裏蓋蝶番



 JWベンソンの鍵捲き鍵合せ銀無垢オープンケース懐中です。ホールマークから1900年時計史年表:明治33年)製になります。1749年にロンドンで創業され、大旨1860〜1930までが生産年とされています。英国王室御用達を賜っているメーカーであり、日本でも腕時計を吉田茂や白洲次郎が愛用し、実業家や政治家に隠れた人気を持っています。

 コインエッジ銀無垢ケースの裏蓋にナナコ模様とイニシャルエンブレムがあり、ネジ貫通式の提環元にホールマークがあります。白瀬戸文字盤にゴールドのスペード長短針が使われ、黒太のローマ時表示と「J.W.Benson London」の標記があります。鍵での捲上げの「カチカチ」という音は独特で、心地よい硬めの手応えが伝わってきます。

 機構的にもトゲトゲ爪歯(ラチェット)のガンギ車が使われたイングリッシュレバー脱進機仕様であり、心が和むゆっくり目の「コチコチ」とした稼働音がしっかり響いてきます。直径が54mmと大型で、重さも150gあり手に持つとずっしりと存在感があります(落としては大変という点で緊張感も高い)。

 イギリスのアンティーク時計で最も有名で人気があり英国懐中のスタンダードともいえるベンソンですが、まさに正統派直球ド真ん中な英国テイスト溢れる懐中です。


■ 外観 ■

大型でずっしりと存在感抜群。提環とローマ時表示、コインエッジ銀ケース等が特徴です。

文字盤には「J.W.Benson London」の標記。英国式を強調する嬉しい仕様です。

ネジ貫通式の提環元の裏に「G・D」のHMが。

表側には「ライオン」?と「Z」マーク。

裏蓋は蝶番式。ナナコ模様が美しい。

爪でツバを押して蓋を開けます。

2つの鍵穴。捲上げ用と時合せ用。鍵穴ガードがピッタリ鍵穴に合ってますね。渦巻き状の模様が施されています。

ご存じ英国ホールマーク。上の「ライオン左向」はシルバー、「豹顔」はロンドン商工組合発行のタウンマーク、「e」は1900年製造のデイトマークを表しています。

メーカー発行ホールマーク。「J.W.Benson」を表しています。

中蓋はコジアケを使います。

中蓋内側に「3 1 6」の刻印。

裏蓋と同じ「ライオン左向」と「e」。非常に綺麗に残っていますね。

 機械全景。刻印を見やすくするために反射を強くして撮りました。3/4プレートの金梨地マット仕上げが渋く際立っています(通常は下の2枚の画像の様に見えます)。刻印が沢山あって楽しいです。まずシリアルNoだと思いますが「No.81909.」とあります。続いて「THE LUDGATE WATCH 」ですが、BANK、FIELD、LUDGATE という三タイプがあり、LUDGATEは15石のハイグレードタイプになります。そしてド真ん中に社名「J.W.Benson.」が入ります。「PATENT No.4658.」「BEST LONDON MAKE」「BY WARRANT TO H.M. THE QUEEN. LUDGATE HILL LONDON」と続きます。ブルースチールのネジ頭が深い藍色を呈しています。

 通常の見え方はこんな感じです。結構明るく見える機械です。

 テンプは非常に元気に稼働しています。

 刻印・他 ■

 シリアルNo.部分。やはり梨地が渋いですね。

 Bensonの社名部分。

 分解 ■

 厚めの金枠でしっかりガードされています。重量感も増して堅牢性も高いです。

表蓋は嵌め込み式。ガラス風防が外れていましたので枠を掃除して磨き直します。

丸・角穴車の歯車はカンヌキ留めされています。

古いタイプの英国式ならではの仕様でしょうか。

慎重に外します。こんな感じ。

歯車も厚く頑丈に作ってあります。

これなら歯が欠けることは無いでしょう。

プレートを外します。

鍵穴の筒ガードを外します。ホコリ除けでもあるので結構汚れてます。

香箱には捲き止め装置が付いています。綺麗な状態で残っていますね。丸い水玉の装飾彫もお洒落です。

 洗浄・組立 ■

分解後。

洗浄中。掃除木と刷毛で念入りに洗います。

順番に洗浄機にかけます。

混合タイプの透明樹脂でガラス風防を接着。

組立。プレートに鍵穴筒ガードを裏からネジ止めします。これにも渦巻き状の彫りがあります。

地板に、

香箱と3番車と

4番車を並べて

プレートを被せて取り付けます。鍵穴からはこんな感じ。

真横から。2番車も香箱の下に潜り込みます。

プレートを取り付けの際、あらかじめ丸・角穴車の真も通しておきます。

それぞれをまたカンヌキピンで止めます。上にはみ出すと文字盤に当たるのでしっかり止めます。この段階でザラ回しの確認もします。

ラチェットとレバーを1つの部品で押さえる仕様もベンソン方式?これも特徴的です。

トゲトゲの爪歯(ラチェット)のついたガンギ車。イングリッシュレバー脱進機の部品です。これもぶ厚いですね。

入爪と出爪の付いたイングリッシュレバー。

取り付けます。ホゾを痛めないように。

地板側の伏石を、

ネジ止め取付けます。

大振りのテンプ部品を

組立てます。チラネジ付バイメタル切りテンプ。

平ヒゲをI型とL型のヒゲ棒で挟みます。非常に繊細でヒゲも通しにくいヒゲ棒ですが、部妙なアタリの調整がやりやすくなっています。

テンプを取付け。元気良く動き出しました!

日ノ裏車と筒車を設置。

文字盤を取付け。これもカンヌキピン止めです。

長短針と秒針を取付け、ケースへ入れます。

裏蓋のイニシャルエンブレム。

外見・機構共に、英国式懐中としての存在感があります。
状態も良く、誤差はあるものの文字盤上の平置きで日差
+30〜40秒まで精度が出ました。

■ サイズ・重量 ■

巾 54.5 o

重さ 153.0 g

直球なほど破壊力・抜群な古物感におみまいされ
ヤラれてしまった感じです。(2011.H23.3.2)



三銘堂TOP

時計画像

OH手順表

作業道具

覚え書

HPの記述

画像掲示板

三銘堂直売

LINK

書籍